Nap of whale
2003 Annaka Gunma



公園内での一つの遊具として実現したプラン。滑り台としての機能は付いているが、これはそもそも果実や木の実をもぎ取るための踏み台として考えられた。小高く積まれた石山の周りには桜の木が植えられていて、春には花の間を滑り降りる遊具として子供達を楽しませる。そしてサクランボの実が生る頃には小さな実を見つける為の踏み台になるだろう。果実を自分でもぎ取り、その場でほおばる喜びは何物にも変えがたい幸せである。もちろん人間が全部取ってしまうのでなく上の方は鳥達に残しておく。いままで手が届きそうで届かなかった果実に、少しだけ近づける装置である。
こうした遊びの経験は、楽しい記憶となって体験者の中に積み重ねられてゆき、果実のありがたさや食べ物、水、空気と彼らの視野が広がってゆくことができるのではないだろうか。